いにしへのことは知らぬを我れ見ても
久しくなりぬ天の香具山
- 歌の意味
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遠い昔のことは知らないが、私が見るようになってからでさえ、長い年月が経った、天の香具山よ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1096
詞書は前の歌に続き「山を詠む」
天の香具山を見上げて、遠い神代のことは知らないが、自分が見るようになってからでも長い年月が過ぎたと感慨を述べる一首である。山の悠久さと、人の一生の時間とが重ね合わされている。
山を詠む歌群の中で、大和三山の一つ香具山を詠む。本巻の第千八十首が月の永遠と人の年月とを対比したのと、同じ主題を山によって扱った歌といえる。作者は未詳である。
初句「いにしへの」は、遠い昔の、の意である。
二句「ことは知らぬを」の「を」は逆接で、知らないけれども、の意。
三句「我れ見ても」は、私が見るようになってからでさえ、の意。「も」は強意を表す。
四句「久しくなりぬ」の「ぬ」は完了で、長い年月になった、と言い切る四句切れである。
結句「天の香具山」は、名詞で結ぶ体言止めである。天から降ったという伝承をもつ香具山を、「天の」を冠して神聖な山として呼びかけている。
いにしへ:遠い昔
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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三諸つく三輪山見れば隠口の 泊瀬の桧原思ほゆるかも
- 次の歌
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我が背子をこち巨勢山と人は言へど 君も来まさず山の名にあらし