- 歌の意味
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大君の御笠の山が帯としている細い谷川の、瀬音のなんと清らかなことよ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1102
詞書は前の歌に続き「河を詠む」
御笠山の麓を帯のようにめぐって流れる細い谷川の、清らかな瀬音を讃える一首である。山を人に見立てて川をその帯とする表現に、優美な風格がある。
河を詠む歌群の一首で、前歌の夜の荒々しい川音に対し、この歌は清らかな川音を讃えており、同じ川音を異なる相で詠み分けている。作者は未詳である。
初句「大君の」は、大君がさす御笠の意から、「御笠」にかかる枕詞である。
二句「御笠の山の」は、平城京の東にある御蓋山(三笠山)をいう。
三句「帯にせる」は、帯としている、の意。「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、山を人に見立て、麓をめぐる川をその帯とする。
四句「細谷川の」は、細い谷川の、の意である。
結句「音のさやけさ」は、「さやけし」の語幹に「さ」を付けた名詞で結ぶ体言止めで、川音の清らかさへの詠嘆を表す。本巻の第千百十二首、第千百五十九首も同じ結句である。
おび:腰に巻く帯。ここでは山の麓をめぐる川のたとえ
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ぬばたまの夜さり来れば巻向の 川音高しもあらしかも疾き
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今しくは見めやと思ひしみ吉野の 大川淀を今日見つるかも