かはづ鳴く清き川原を今日見ては
いつか越え来て見つつ偲はむ
- 歌の意味
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河鹿の鳴く清らかな川原を今日見てしまったからには、いつまた山を越えて来て、眺めながら賞美することができるだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1106
詞書は前の歌に続き「河を詠む」
河鹿の鳴く清らかな川原を見て立ち去りがたく、またいつ山を越えて来てこの景色を賞美できるだろうかと思う一首である。美しい景に接した喜びと、去りがたい名残惜しさとがこもっている。
河を詠む歌群の中で吉野川の歌に続いて置かれ、吉野の川原を詠んだものと見られる。作者は未詳である。
初句「かはづ鳴く」は、河鹿の鳴く、の意。清流に住む河鹿の声は、清らかな川の象徴であった。
二句「清き川原を」は、清らかな川原を、の意である。
三句「今日見ては」は、今日見てしまったからには、の意である。
四句「いつか越え来て」は、いつの日にか山を越えて来て、の意。「か」は疑問で、結句の「む」と呼応する。
結句「見つつ偲はむ」の「偲ふ」は、ここでは賞美する、めでるの意。眺めながら賞美しようか、と再訪を願う。
かはづ:カジカガエル
しのふ:賞美する、思い慕う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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音に聞き目にはいまだ見ぬ吉野川 六田の淀を今日見つるかも
- 次の歌
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泊瀬川白木綿花に落ちたぎつ 瀬をさやけみと見に来し我れを