いにしへもかく聞きつつか偲ひけむ
この布留川の清き瀬の音を
- 歌の意味
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昔の人もこのように聞きながら賞美したのだろうか、この布留川の清らかな瀬の音を。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1111
詞書は前の歌に続き「河を詠む」
布留川の清らかな瀬音を聞きながら、昔の人もこうして聞いてめでたのだろうかと思いを馳せる一首である。川の名の「布留」には「古る」を思わせる響きがあり、悠久の時の流れが感じられる。
河を詠む歌群の中で清らかな瀬音を讃える歌の一つである。本巻の第千百十八首「いにしへにありけむ人も我がごとか」と同じく、古人に思いを寄せる趣向をもつ。作者は未詳である。
初句「いにしへも」は、昔の人もまた、の意である。
二句「かく聞きつつか」は、このように聞きながら、の意。係助詞「か」は疑問で、三句の「けむ」と呼応する。
三句「偲ひけむ」は、賞美したのであろうか、の意。「けむ」は過去推量で、「か」を受けて連体形で結ぶ三句切れである。
四句「この布留川の」は、石上の布留の地を流れる川をいう。「布留」は「古る」と音が通い、初句の「いにしへ」と響き合う。
結句「清き瀬の音を」は、倒置によって賞美の対象を後から示している。
しのふ:賞美する、思い慕う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ゆ種蒔くあらきの小田を求めむと 足結ひ出で濡れぬこの川の瀬に
- 次の歌
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はねかづら今する妹をうら若み いざ率川の音のさやけさ