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我が紐を妹が手もちて結八川
またかへり見む万代までに

歌の意味
私の衣の紐を妻がその手で結う、その名をもつ結八川を、また帰って来て見よう、万代までも。
鑑賞
巻第七 雑歌 1114

詞書は前の歌に続き「河を詠む」
 上二句は、旅立つ夫の衣の紐を妻が結ぶ意で、「結ふ」と同音の「結八川」を導く序詞である。妻との結びつきを思わせる名の川を、万代までも繰り返し訪れて見ようと讃えている。
 次歌も「妹が紐結八河内」と詠み、同じ地名を序詞で導く二首が並ぶ。四句「またかへり見む」は本巻の第千百首の結句と同じく、再訪を誓う土地讃美の結びである。結八川の所在は定かでない。作者は未詳である。

 初句「我が紐を」は、私の衣の紐を、の意である。
 二句「妹が手もちて」は、妻がその手で、の意。旅立ちに際して妻が夫の紐を結ぶのは、無事と変わらぬ心を願う習わしであった。初句と二句とが「結ふ」を導く序詞となる。
 三句「結八川」は、序詞の「結ふ」を受けて地名に続けたもので、所在は定かでない。
 四句「またかへり見む」は、また立ち返って見よう、の意で、本巻の第千百首の結句と同じ句である。四句切れとなる。
 結句「万代までに」は、万代の後までも、の意。倒置で添え、再訪の誓いを永遠のものとしている。

ひも:衣服の紐。男女が互いに結び合う習わしがあった
よろづよ:限りなく長い年月
出典
万葉集
前の歌
この小川霧ぞ結べるたぎちゆく 走井の上に言挙げせねども
次の歌
妹が紐結八河内をいにしへの みな人見きとここを誰れ知る