佐保川に騒ける千鳥さ夜更けて
汝が声聞けば寐ねかてなくに
- 歌の意味
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佐保川で鳴き騒いでいる千鳥よ、夜が更けてからおまえの声を聞くと、眠ることもできないのに。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1124
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
夜更けに佐保川で鳴き騒ぐ千鳥の声を聞くと眠れなくなると、千鳥に呼びかける一首である。千鳥の声が恋しい思いをかきたて、寝つかれない夜の物思いが表されている。
前歌と同じく佐保川の千鳥を詠み、前歌が忘れがたい声として懐かしむのに対し、この歌では眠りを妨げる声として詠んでおり、同じ千鳥の声を異なる心情で受け止めている。作者は未詳である。
初句「佐保川に」は、前歌の初句と同じ佐保川で、二首が一組であることを示す。
二句「騒ける千鳥」の「騒く」は、鳥がしきりに鳴き立てる意。前歌の「鳴く千鳥」と対応する。
三句「さ夜更けて」の「さ」は接頭語で、夜が更けて、の意である。
四句「汝が声聞けば」は、千鳥に「おまえ」と呼びかけ、その声を聞くと、の意である。
結句「寐ねかてなくに」は、眠ることができないのに、の意。「かてなく」は「かてぬ」のク語法で、「に」によって詠嘆的に言いさしている。
さわく:鳥などがしきりに鳴き立てる
いぬ:眠る、寝る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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佐保川の清き川原に鳴く千鳥 かはづと二つ忘れかねつも
- 次の歌
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清き瀬に千鳥妻呼び山の際に 霞立つらむ神なびの里