- 歌の意味
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清らかな瀬で千鳥が妻を呼んで鳴き、山の間には霞が立っているだろう、あの神なびの里では。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1125
詞書「故郷を思ふ」
故郷の神なびの里では、今ごろ清らかな瀬で千鳥が妻を呼び、山あいには霞が立っているだろうと思いやる一首である。離れて住む故郷の春景色を心に描き、懐かしむ情がこもっている。
詞書「故郷を思ふ」のもとの歌である。神なびの里は飛鳥の地を指すと見られ、平城京に移った人が旧都飛鳥を懐かしんだ歌と解される。前歌までの千鳥の歌を受け、千鳥の声から故郷への思いへと展開する配列となっている。作者は未詳である。
初句「清き瀬に」は、清らかな瀬に、の意である。
二句「千鳥妻呼び」は、千鳥が妻を呼んで鳴き、の意。前の二首の千鳥を受け、妻を呼ぶ声に望郷と恋慕の情を重ねている。
三句「山の際に」は、山と山の間に、の意で、本巻の第千百二十二首の初句と同じ語である。
四句「霞立つらむ」の「らむ」は現在推量で、今ごろ霞が立っているだろう、の意。
結句「神なびの里」は、神の鎮座する山や森のある里の意で、ここでは飛鳥をいう。名詞で結ぶ体言止めである。
かむなび:神が鎮座する山や森
- 出典
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万葉集
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佐保川に騒ける千鳥さ夜更けて 汝が声聞けば寐ねかてなくに
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年月もいまだ経なくに明日香川 瀬々ゆ渡しし石橋もなし