落ちたぎつ走井水の清くあれば
置きては我れは行きかてぬかも
- 歌の意味
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激しく流れ落ちる走り井の水が清らかなので、それを後に残して私は立ち去りかねることだ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1127
詞書「井を詠む」
勢いよく湧き落ちる走井の水があまりに清らかなので、それを後にして立ち去ることができないと詠む一首である。清水への讃嘆が、立ち去りがたい名残惜しさとして表されている。
詞書「井を詠む」のもとの最初の歌である。「落ちたぎつ」の句は本巻の第千百七首にも見え、「走井」は本巻の第千百十三首にも詠まれている。作者は未詳である。
初句「落ちたぎつ」は、激しく流れ落ちてわき立つ、の意。第千百七首の三句と同じ語である。
二句「走井水の」は、勢いよく湧き出して流れる泉の水をいう。第千百十三首の「走井」と同じ語である。
三句「清くあれば」は、清らかであるので、の意。字余りの句である。
四句「置きては我れは」は、それを置いたままでは私は、の意である。
結句「行きかてぬかも」は、行くことができないことよ、の意。「かてぬ」は〜できない意で、本巻の第千百九十首の結句「過ぎかてぬかも」とも通じる結びである。
はしりゐ:勢いよく湧き出て流れる泉
- 出典
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万葉集
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年月もいまだ経なくに明日香川 瀬々ゆ渡しし石橋もなし
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馬酔木なす栄えし君が掘りし井の 石井の水は飲めど飽かぬかも