琴取れば嘆き先立つけだしくも
琴の下樋に妻や隠れる
- 歌の意味
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琴を手に取ると、まず嘆きが先に立つ。ひょっとすると、琴の胴の空洞の中に妻が隠れているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1129
詞書「倭琴を詠む」
琴を弾こうと手に取ると、まず嘆きが込み上げてくると詠み、その理由を、琴の胴の中に妻が隠れているからかと推し量る一首である。琴の音に亡き妻、あるいは離れた妻への思いがかき立てられることを、機知のある表現で表している。
詞書「倭琴を詠む」のもとの歌である。倭琴は日本古来の弦楽器で、琴そのものを題として詠む歌は万葉集には珍しい。作者は未詳である。
初句「琴取れば」は、琴を手に取ると、の意である。
二句「嘆き先立つ」は、嘆きがまず先に立つ、の意。演奏より先に嘆息が出ることをいい、二句切れとなる。
三句「けだしくも」は、ひょっとすると、もしかしたら、の意の副詞である。
四句「琴の下樋に」の「下樋」は、琴の胴の中の空洞をいう。
結句「妻や隠れる」は、係助詞「や」を受けて連体形「る」で結ぶ係り結びで、妻が隠れているのだろうか、と問いかける。
したび:琴の胴の内部の空洞
- 出典
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万葉集
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馬酔木なす栄えし君が掘りし井の 石井の水は飲めど飽かぬかも
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神さぶる岩根こごしきみ吉野の 水分山を見れば悲しも