武庫川の水脈を早みと赤駒の
足掻くたぎちに濡れにけるかも
- 歌の意味
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武庫川の水脈の流れが速いので、赤駒が足を掻いて立てる水しぶきに、すっかり濡れてしまったことよ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1141
詞書は前の歌に続き「摂津にて作る」
流れの速い武庫川を馬で渡ると、赤駒が足を掻いてはね上げる水しぶきに濡れてしまったと詠む一首である。急流を渡る旅の苦労が、赤駒の躍動する姿とともに生き生きと描かれている。
摂津にて作る歌の一首で、前歌の猪名野から武庫川へと、摂津の旅の道筋をたどるように配されている。作者は未詳である。
初句「武庫川の」は、摂津を流れる川で、現在の兵庫県南東部を流れる。
二句「水脈を早みと」は、水脈の流れが速いので、の意。ミ語法に「と」を添えている。
三句「赤駒の」は、赤毛の馬の、の意である。
四句「足掻くたぎちに」は、足を掻いてはね上げる水しぶきに、の意。「たぎち」は激しくわき立つ水をいう。
結句「濡れにけるかも」は、濡れてしまったことよ、の意。完了の「に」に、詠嘆の「けり」「かも」を重ねている。
あかごま:赤毛の馬
あがく:馬が足で地面や水を掻く
たぎち:激しくわき立つ水
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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しなが鳥猪名野を来れば有馬山 夕霧立ちぬ宿りはなくて
- 次の歌
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命をし幸くよけむと石走る 垂水の水をむすびて飲みつ