めづらしき人を我家に住吉の
岸の埴生を見むよしもがも
- 歌の意味
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心ひかれる愛しい人を我が家に住まわせたい。その「住む」の名をもつ住吉の岸の埴生を、見る手立てがあればよいのに。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1146
詞書は前の歌に続き「摂津にて作る」
上二句は、愛しい人を我が家に住まわせたいという意で、「住む」と同音の「住吉」を導く序詞となっている。住吉の岸の美しい埴の色を見たいという願いに、恋しい人を迎えたい思いを重ねている。
摂津にて作る歌の一首で、住吉の岸の埴生は本巻の第千百四十八首にも詠まれる。埴生は衣を摺り染める赤や黄の土で、住吉の名物であった。作者は未詳である。
初句「めづらしき」は、愛すべき、心ひかれる、の意である。
二句「人を我家に」は、その人を我が家に、の意。下に「住ましめむ」の意を含み、初二句で「住吉」を導く序詞となる。
三句「住吉の」は、序詞の「住む」から地名へ続けている。
四句「岸の埴生を」の「埴生」は、赤や黄色の粘土、またその産地をいう。衣を摺り染めるのに用いた。
結句「見むよしもがも」は、見る手立てがあればよいのに、の意。「もがも」は願望を表す。
はにふ:衣を染める赤や黄の粘土、またその産地
わぎへ:我が家
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹がため貝を拾ふと茅渟の海に 濡れにし袖は干せど乾かず
- 次の歌
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暇あらば拾ひに行かむ住吉の 岸に寄るといふ恋忘れ貝