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住吉の名児の浜辺に馬立てて
玉拾ひしく常忘らえず

歌の意味
住吉の名児の浜辺に馬を止めて、美しい玉を拾ったことが、いつも忘れられない。
鑑賞
巻第七 雑歌 1153

詞書は前の歌に続き「摂津にて作る」
 住吉の名児の浜辺で馬を止めて玉を拾った楽しい思い出が、いつまでも忘れられないと詠む一首である。旅先の浜辺での一こまへの懐かしさがこもっている。
 摂津にて作る歌の一首で、名児の浜は住吉の浜の一部とされる。次歌以下も名児、また吾児の浜を詠む。作者は未詳である。

 初句「住吉の」は、摂津の住吉をいう。
 二句「名児の浜辺に」は、住吉の名児の浜辺に、の意である。
 三句「馬立てて」は、馬を止めて、の意である。
 四句「玉拾ひしく」の「しく」は過去の助動詞「き」のク語法で、玉を拾ったことが、の意。
 結句「常忘らえず」は、いつも忘れられない、の意。「え」は可能、「ず」は打消を表す。

たま:美しい小石や貝殻など
出典
万葉集
前の歌
楫の音ぞほのかにすなる海人娘子 沖つ藻刈りに舟出すらしも
次の歌
雨は降る仮廬は作るいつの間に 吾児の潮干に玉は拾はむ