あさりすと磯に我が見しなのりそを
いづれの島の海人か刈りけむ
- 歌の意味
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磯であさりをしていて私が見かけたなのりそを、どこの島の海人が刈ってしまったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1167
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
磯で見かけて心にとめていたなのりそを、どこの島の海人が刈り取ったのだろうかと惜しむ一首である。なのりそを心ひかれた女性にたとえ、目をつけていた女性が他の男のものになったことを嘆く譬喩の歌と見られる。
羈旅にて作る歌の一首であるが、恋の寓意をもつ。なのりそは「な告りそ(告げるな)」の意を響かせる海藻で、万葉集の恋の歌にしばしば用いられる。作者は未詳である。
初句「あさりすと」は、あさりをしようとして、の意。本巻の第千百九十八首も同じ初句である。
二句「磯に我が見し」は、磯で私が見た、の意である。
三句「なのりそを」は、海藻のホンダワラのことで、「な告りそ」の響きをもつ。
四句「いづれの島の」は、どこの島の、の意である。
結句「海人か刈りけむ」は、係助詞「か」を受けて連体形「けむ」で結ぶ係り結びで、海人が刈ったのだろうか、と問う。
なのりそ:海藻ホンダワラの古名。「な告りそ(告げるな)」の意を響かせる
あさる:餌や貝などを探し求める
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いにしへにありけむ人の求めつつ 衣に摺りけむ真野の榛原
- 次の歌
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今日もかも沖つ玉藻は白波の 八重をるが上に乱れてあるらむ