近江の海港は八十ちいづくにか
君が舟泊て草結びけむ
- 歌の意味
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近江の湖には港がたくさんある。そのどこにあなたは舟を泊めて、草を結んで旅寝をしたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1169
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
近江の湖には数多くの港があるが、旅に出た人はそのどこに舟を泊め、草を結んで旅寝をしたのだろうかと、家で待つ者が思いやる一首である。無数の港の中から相手の居場所を思いやる、切ない心が表されている。
羈旅にて作る歌の一首であるが、旅にある人を家で待つ者の立場から詠まれている。草を結ぶのは、旅の無事を祈るまじないとして行われたものである。作者は未詳である。
初句「近江の海」は、琵琶湖をいい、字余りの句である。
二句「港は八十ち」は、港は数多くある、の意。「八十」は数の多いことをいい、二句切れとなる。
三句「いづくにか」は、どこに、の意。係助詞「か」は結句の「けむ」と呼応する。
四句「君が舟泊て」は、あなたが舟を泊めて、の意である。
結句「草結びけむ」は、草を結んだのだろうか、の意。草を結ぶのは旅の無事を祈るまじないで、三句の「か」を受けて連体形「けむ」で結ぶ。
はつ:舟が港に着いて停泊する
くさむすぶ:草を結んで旅の無事を祈る、また旅寝をする
- 出典
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万葉集
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今日もかも沖つ玉藻は白波の 八重をるが上に乱れてあるらむ
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楽浪の連庫山に雲居れば 雨ぞ降るちふ帰り来我が背