飛騨人の真木流すといふ丹生の川
言は通へど舟ぞ通はぬ
- 歌の意味
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飛騨の人が良材を流すという丹生の川は、言葉は向こう岸に通っても、舟は通わない。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1173
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
飛騨の人が材木を流すという丹生の川は急流で、言葉は向こう岸に届いても舟は通えないと詠む一首である。便りは交わせても逢うことはできないという恋の障害を、川にたとえたものとも読める。
羈旅にて作る歌の一首で、飛騨の丹生川は材木を川流しで運ぶ川であった。民謡風の歌と見られている。作者は未詳である。
初句「飛騨人の」は、飛騨の国の人の、の意。飛騨の人は木工の技で知られた。
二句「真木流すといふ」は、良材を流すという、の意で、字余りの句である。
三句「丹生の川」は、飛騨を流れる川である。
四句「言は通へど」は、言葉は通じ合うけれども、の意である。
結句「舟ぞ通はぬ」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ぬ」で結ぶ係り結びで、舟は通わない、の意。四句の「言」と結句の「舟」とが対比される。
まき:杉や檜などの良材
ひだひと:飛騨の国の人。木工の技で知られた
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いづくにか舟乗りしけむ高島の 香取の浦ゆ漕ぎ出来る舟
- 次の歌
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霰降り鹿島の崎を波高み 過ぎてや行かむ恋しきものを