霰降り鹿島の崎を波高み
過ぎてや行かむ恋しきものを
- 歌の意味
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鹿島の崎を、波が高いので通り過ぎて行ってしまうのだろうか。心ひかれるところなのに。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1174
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
心ひかれる鹿島の崎に立ち寄りたいのに、波が高いので素通りして行かなければならないのかと惜しむ一首である。遠い東国の名所への憧れと、それを十分に見られない残念さとが表れている。
羈旅にて作る歌の一首で、鹿島は常陸の地、鹿島神宮の鎮座する地である。以下、東国の地名を詠む歌が続く。作者は未詳である。
初句「霰降り」は、霰が降ってかしましい意から、「鹿島」にかかる枕詞である。
二句「鹿島の崎を」は、常陸の鹿島の岬を、の意である。
三句「波高み」は、波が高いので、の意のミ語法である。
四句「過ぎてや行かむ」は、通り過ぎて行くのだろうか、の意。係助詞「や」を受けて連体形「む」で結ぶ四句切れである。
結句「恋しきものを」は、心ひかれるところなのに、の意。逆接の詠嘆で、倒置的に心情を添えている。
あられふる:霰が降る。音のかしましさから「鹿島」などにかかる枕詞となる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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飛騨人の真木流すといふ丹生の川 言は通へど舟ぞ通はぬ
- 次の歌
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足柄の箱根飛び越え行く鶴の 羨しき見れば大和し思ほゆ