家にして我れは恋ひむな印南野の
浅茅が上に照りし月夜を
- 歌の意味
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家に帰ってから、私は恋しく思うことだろう。印南野の浅茅の上に照っていた月夜を。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1179
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
旅先の印南野で見た、浅茅の上に照る月夜の美しさを、家に帰ってからも恋しく思うだろうと詠む一首である。旅の途中にあって、すでに後の懐かしさを予感する心が表れている。
前歌に続いて印南野を詠み、前歌が舟の上から印南野を過ぎたことを知る歌であったのに対し、この歌は印南野の月夜の美しさを讃えている。作者は未詳である。
初句「家にして」は、家にあって、家に帰ってから、の意である。
二句「我れは恋ひむな」の「な」は詠嘆で、私は恋しく思うだろうよ、の意。二句切れとなる。
三句「印南野の」は、前歌と同じ印南野をいう。
四句「浅茅が上に」は、丈の低い茅の上に、の意である。
結句「照りし月夜を」は、照っていた月夜を、の意。倒置によって恋しく思う対象を示している。
あさぢ:丈の低いチガヤ
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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印南野は行き過ぎぬらし天伝ふ 日笠の浦に波立てり見ゆ
- 次の歌
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荒磯越す波を畏み淡路島 見ずか過ぎなむここだ近きを