荒磯越す波を畏み淡路島
見ずか過ぎなむここだ近きを
- 歌の意味
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荒磯を越えて打ち寄せる波が恐ろしいので、淡路島を見ないで通り過ぎてしまうのだろうか。こんなにも近いのに。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1180
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
荒磯を越えてくる波の恐ろしさに、すぐ近くにある淡路島に立ち寄ることもなく過ぎてゆくのかと惜しむ一首である。目の前の名所に近づけない船旅の心残りが表されている。
羈旅にて作る歌の一首で、本巻の第千百七十四首が、波が高いために鹿島の崎を素通りするのかと惜しんだのと同じ趣向の歌である。作者は未詳である。
初句「荒磯越す」は、荒々しい磯を越えて打ち寄せる、の意である。
二句「波を畏み」は、波が恐ろしいので、の意のミ語法である。
三句「淡路島」は、播磨灘と大阪湾との間にある島である。
四句「見ずか過ぎなむ」は、見ないで通り過ぎてしまうのだろうか、の意。係助詞「か」を受けて連体形「なむ」で結ぶ四句切れで、第千百七十四首の四句「過ぎてや行かむ」と対応する。
結句「ここだ近きを」は、こんなにも近いのに、の意。「ここだ」は、これほどまでに、の意である。
ありそ:岩の多い荒々しい海岸
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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家にして我れは恋ひむな印南野の 浅茅が上に照りし月夜を
- 次の歌
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朝霞止まずたなびく龍田山 舟出せむ日は我れ恋ひむかも