海人小舟帆かも張れると見るまでに
鞆の浦廻に波立てり見ゆ
- 歌の意味
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海人の小舟が帆を張っているのかと見まがうほどに、鞆の浦辺に白波が立っているのが見える。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1182
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
鞆の浦に立つ白波を、海人の小舟が帆を張っているのかと見まがうほどだと詠む一首である。白波を白い帆に見立てた、海の景の明るさと動きの感じられる叙景歌である。
羈旅にて作る歌の一首で、鞆の浦は備後の港、現在の広島県福山市の鞆の浦である。次歌も鞆の浦を詠み、二首が一組となっている。作者は未詳である。
初句「海人小舟」は、海人の小さな舟をいう。
二句「帆かも張れると」は、帆を張っているのかと、の意。「かも」は疑問を表し、字余りの句である。
三句「見るまでに」は、見まがうほどに、の意である。
四句「鞆の浦廻に」は、鞆の浦のあたりに、の意。次歌の結句「鞆の浦廻を」と対応する。
結句「波立てり見ゆ」は、波が立っているのが見える、の意。本巻の第千百七十八首の結句と同じである。
あまをぶね:海人の乗る小舟
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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朝霞止まずたなびく龍田山 舟出せむ日は我れ恋ひむかも
- 次の歌
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ま幸くてまたかへり見む大夫の 手に巻き持てる鞆の浦廻を