朝なぎに真楫漕ぎ出て見つつ来し
御津の松原波越しに見ゆ
- 歌の意味
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朝なぎの中、左右そろった櫂で漕ぎ出し、眺めながらやって来た御津の松原が、今は波の向こうに見える。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1185
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
朝なぎに漕ぎ出して、眺めながら進んできた難波の御津の松原が、今は波越しに遠く見えると詠む一首である。遠ざかる港の松原に、故郷を離れてゆく旅人の名残惜しさがこもっている。
羈旅にて作る歌の一首で、難波の御津から船出した旅を詠む。御津は本巻の第千百五十一首にも詠まれている。作者は未詳である。
初句「朝なぎに」は、朝の風の静まった時に、の意である。
二句「真楫漕ぎ出て」は、左右そろった櫂で漕ぎ出して、の意である。
三句「見つつ来し」は、眺めながらやって来た、の意である。
四句「御津の松原」は、難波の御津の浜の松原をいう。
結句「波越しに見ゆ」は、波の向こうに見える、の意で、遠ざかった距離を感じさせる。
まかぢ:舟の左右にそろった櫂
あさなぎ:朝、風がやんで海が静まること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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鳥じもの海に浮き居て沖つ波 騒くを聞けばあまた悲しも
- 次の歌
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あさりする海人娘子らが袖通り 濡れにし衣干せど乾かず