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山越えて遠津の浜の岩つつじ
我が来るまでにふふみてあり待て

歌の意味
山を越えて遠く行く遠津の浜の岩つつじよ、私が帰って来るまで、つぼみのままで待っていておくれ。
鑑賞
巻第七 雑歌 1188

詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
 遠津の浜の岩つつじに、自分が帰って来るまで咲かずにつぼみのままで待っていてくれと呼びかける一首である。帰途に再びこの花を見たいと願い、花の盛りを見届けたいという思いがこもる。岩つつじに故郷で待つ女性を重ねる読みもある。
 羈旅にて作る歌の一首で、遠津の浜の所在は定かでない。作者は未詳である。

 初句「山越えて」は、山を越えて、の意。遠く離れた地であることを示し、「遠津」を導く。
 二句「遠津の浜の」は地名で、所在は定かでない。「遠」の字に遠さの意を響かせている。
 三句「岩つつじ」は、岩間に咲くつつじをいう。
 四句「我が来るまでに」は、私が帰って来るまで、の意である。
 結句「ふふみてあり待て」の「ふふむ」は、つぼみのままでいる意。「あり待て」は、ずっと待っていよ、と命じる表現である。

ふふむ:花がつぼみのままでいる
出典
万葉集
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網引する海人とか見らむ飽の浦の 清き荒磯を見に来し我れを
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大海にあらしな吹きそしなが鳥 猪名の港に舟泊つるまで