白栲ににほふ真土の山川に
我が馬なづむ家恋ふらしも
- 歌の意味
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白栲のように白く照り映える真土山の山川で、私の馬が行きなずむ。家の者が私を恋しく思っているらしい。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1192
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
真土山の山川で馬が進みなずむのを、家の者が自分を恋い慕っているしるしだと受け止める一首である。前歌と同じく、馬の様子を家人の思いの兆しとする俗信を背景に、望郷の情を詠んでいる。
前歌と一組をなし、前歌の結句「家思ふらしも」とこの歌の結句「家恋ふらしも」とが対応する。真土山は大和と紀伊の国境の山で、紀伊への旅の歌にたびたび詠まれた。作者は未詳である。
初句「白栲に」は、白い布のように、の意である。
二句「にほふ真土の」の「にほふ」は色が照り映える意。「真土」は大和と紀伊の境の真土山で、その白い土の色を讃えるとも解される。
三句「山川に」は、山の中の川に、の意である。
四句「我が馬なづむ」の「なづむ」は、行き悩む意。前歌の四句「我が馬つまづく」と対応する四句切れである。
結句「家恋ふらしも」は、家の者が私を恋しく思っているらしい、の意で、前歌の結句と対応する。
なづむ:行き悩む、進みかねる
にほふ:色が美しく照り映える
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹が門出入の川の瀬を早み 我が馬つまづく家思ふらしも
- 次の歌
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背の山に直に向へる妹の山 事許せやも打橋渡す