つともがと乞はば取らせむ貝拾ふ
我れを濡らすな沖つ白波
- 歌の意味
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土産が欲しいと家の者がねだったら渡してやろうと、貝を拾っている私を濡らさないでくれ、沖の白波よ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1196
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
家の者に土産をねだられたら渡してやろうと貝を拾っている自分を、沖の白波よ濡らさないでくれと呼びかける一首である。家人への思いやりと、海辺の旅のひとこまとが明るく描かれている。
この歌から後の多くの歌は、左注「右の件の歌は古集の中に出づ」により、古集に出る歌とされる。家人への土産に貝を拾う歌は、本巻の第千百四十五首にも見える。作者は未詳である。
初句「つともがと」は、土産が欲しいと、の意。「もが」は願望を表す。
二句「乞はば取らせむ」は、ねだったら与えよう、の意である。
三句「貝拾ふ」は、貝を拾っている、の意で、四句の「我れ」にかかる。
四句「我れを濡らすな」は、私を濡らさないでくれ、の意。「な」は禁止を表す。
結句「沖つ白波」は、沖の白波への呼びかけで、名詞で結ぶ体言止めである。
つと:土産
こふ:ねだる、求める
- 出典
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万葉集
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麻衣着ればなつかし紀の国の 妹背の山に麻蒔く我妹
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手に取るがからに忘ると海人の言ひし 恋忘れ貝言にしありけり