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我が舟は沖ゆな離り迎へ舟
方待ちがてり浦ゆ漕ぎ逢はむ

歌の意味
私の舟は沖の方へ離れないでくれ。迎えの舟が来るのを待ちがてら、浦伝いに漕いで行って出会おう。
鑑賞
巻第七 雑歌 1200

詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
 自分の舟が沖へ離れていかないようにと願い、迎えの舟を待ちながら、浦伝いに漕いで行って出会おうと詠む一首である。家の方から迎えに来る舟を待ちわびる、帰郷を急ぐ心が表れている。
 古集に出る歌とされるが、解釈には諸説がある。作者は未詳である。

 初句「我が舟は」は、私の舟は、の意である。
 二句「沖ゆな離り」は、沖の方へ離れるな、の意。「な」は禁止で、二句切れとなる。
 三句「迎へ舟」は、迎えに来る舟をいう。
 四句「方待ちがてり」は、一方で待ちながら、の意。「がてり」は、〜しながら、〜のついでに、の意である。
 結句「浦ゆ漕ぎ逢はむ」は、浦伝いに漕いで行って出会おう、の意で、「む」は意志を表す。

むかへぶね:迎えに来る舟
さかる:離れる、遠ざかる
出典
万葉集
前の歌
藻刈り舟沖漕ぎ来らし妹が島 形見の浦に鶴翔る見ゆ
次の歌
大海の水底響み立つ波の 寄らむと思へる磯のさやけさ