沖つ波辺つ藻巻き持ち寄せ来とも
君にまされる玉寄せめやも
- 歌の意味
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沖の波が岸辺の藻を巻きこんで寄せて来ても、あなたにまさる玉を寄せてくることがあろうか、ありはしない。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1206
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
沖の波が岸辺の藻を巻きこんで寄せて来ても、あなた以上にすばらしい玉を運んでくることはないと詠む一首である。海の宝である玉よりも恋しい人のほうがまさると、相手への深い愛情を表している。
古集に出る歌とされる。本文には「一に云ふ、沖つ波辺波しくしく寄せ来とも」という異伝が添えられている。作者は未詳である。
初句「沖つ波」は、沖の波をいう。
二句「辺つ藻巻き持ち」は、岸辺の藻を巻きこんで、の意である。
三句「寄せ来とも」は、寄せて来ても、の意。「とも」は逆接の仮定である。
四句「君にまされる」は、あなたにまさる、の意である。
結句「玉寄せめやも」は、玉を寄せてくるだろうか、いや寄せはしない、の意。「めやも」は反語を表す。
へつも:岸辺に生える藻
- 出典
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万葉集
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沖つ楫やくやくしぶを見まく欲り 我がする里の隠らく惜しも
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粟島に漕ぎ渡らむと思へども 明石の門波いまだ騒けり