我妹子に我が恋ひ行けば羨しくも
並び居るかも妹と背の山
- 歌の意味
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愛しい妻を恋い慕いながら旅を行くと、うらやましいことに、並んでいることよ、妹山と背山は。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1210
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
妻を恋い慕いながら旅を行く身には、妹山と背山が仲良く並んでいるのがうらやましいと詠む一首である。第千二百八首と同じく、夫婦の山と離れ離れの自分とを対比して恋慕の情を表している。
妹背山を詠む三首の最後の歌で、本巻の第千二百八首の結句「羨しさ」とこの歌の三句「羨しくも」とが呼応し、前歌の結句「妹と背の山」とこの歌の結句が同じである。古集に出る歌とされる。作者は未詳である。
初句「我妹子に」は、愛しい妻に、の意である。
二句「我が恋ひ行けば」は、私が恋い慕いつつ行くと、の意。第千二百八首の二句「我が越え行けば」と対応する。
三句「羨しくも」は、うらやましいことに、の意。第千二百八首の結句「羨しさ」と呼応する。
四句「並び居るかも」は、並んでいることよ、の意。「かも」は詠嘆で、四句切れとなる。
結句「妹と背の山」は、前歌の結句と同じ句で、名詞で結ぶ体言止め。倒置によって並ぶものを後から示している。
わぎもこ:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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人ならば母が愛子ぞあさもよし 紀の川の辺の妹と背の山
- 次の歌
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妹があたり今ぞ我が行く目のみだに 我れに見えこそ言問はずとも