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玉津島見てしよけくも我れはなし
都に行きて恋ひまく思へば

歌の意味
玉津島を見たよさも、私にはない。都に帰ってから恋しく思うだろうことを思うと。
鑑賞
巻第七 雑歌 1217

詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
 美しい玉津島を見たけれども、都に帰ってからそれを恋しく思うだろうことを考えると、見たよさもないと詠む一首である。美しい景に接した喜びが、後に来る恋しさを思うとかえって苦しみになるという、逆説的な讃美である。
 本巻の第千二百十五首と同じく玉津島を詠み、そちらが奈良で待つ人への土産話を案じたのに対し、この歌は都に帰ってからの恋しさを思っている。古集に出る歌とされる。作者は未詳である。

 初句「玉津島」は、紀伊の和歌の浦の島で、第千二百十五首と同じ初句である。
 二句「見てしよけくも」の「よけく」は「よし」のク語法で、見たよさも、の意となる。
 三句「我れはなし」は、私にはない、の意で、三句切れとなる。
 四句「都に行きて」は、都に帰ってから、の意である。
 結句「恋ひまく思へば」の「恋ひまく」は「恋ひむ」のク語法で、恋しく思うであろうことを思うと、の意。倒置によって理由を示す。

みやこ:都、ここでは平城京
出典
万葉集
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潮満たばいかにせむとか海神の 神が手渡る海人娘子ども
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