妹がため玉を拾ふと紀伊の国の
由良の岬にこの日暮らしつ
- 歌の意味
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妻のために美しい玉を拾おうとして、紀伊の国の由良の岬で、この一日を過ごしてしまった。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1220
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
妻への土産に美しい玉を拾おうとして、紀伊の由良の岬で一日を過ごしてしまったと詠む一首である。玉拾いに夢中になる姿に、妻を思う心の深さが表れている。
藤原卿の作とされる七首の一首である。初句「妹がため」と玉や貝を拾う趣向は本巻の第千百四十五首と共通し、結句「この日暮らしつ」は本巻の第千二百五十首にも見える。
作者の藤原卿は、藤原氏の公卿を指す敬称である。藤原房前とも藤原麻呂ともいわれ、誰を指すかについて定説を見ない。
初句「妹がため」は、妻のために、の意で、第千百四十五首と同じ初句である。
二句「玉を拾ふと」は、美しい玉を拾おうとして、の意である。
三句「紀伊の国の」は、紀伊の国の、の意である。
四句「由良の岬に」は、紀伊の由良の岬で、の意。現在の和歌山県由良町にあたる。
結句「この日暮らしつ」は、この一日を過ごしてしまった、の意。「つ」は完了で、第千二百五十首と同じ結句である。
くらす:日を過ごす、日暮れまで時を過ごす
- 作者
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藤原卿
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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若の浦に白波立ちて沖つ風 寒き夕は大和し思ほゆ
- 次の歌
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我が舟の楫はな引きそ大和より 恋ひ来し心いまだ飽かなくに