玉津島見れども飽かずいかにして
包み持ち行かむ見ぬ人のため
- 歌の意味
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玉津島はいくら見ても見飽きない。どのようにして包んで持って行こうか。まだ見ていない人のために。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1222
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
見ても見ても飽きない玉津島の美しさを、なんとかして包んで持ち帰り、見ていない人に見せたいと願う一首である。景色を包んで持ち帰るという奇抜な発想に、玉津島への讃嘆と家人への思いとが込められている。
藤原卿の作とされる七首の最後の歌である。玉津島は本巻の第千二百十五首、第千二百十七首にも詠まれ、見ていない人のために景を思う点で第千二百十五首の趣向とも通じる。
作者の藤原卿は、藤原氏の公卿を指す敬称である。藤原房前とも藤原麻呂ともいわれ、誰を指すかについて定説を見ない。
初句「玉津島」は、紀伊の和歌の浦の島である。
二句「見れども飽かず」は、いくら見ても見飽きない、の意で、二句切れとなる。
三句「いかにして」は、どのようにして、の意である。
四句「包み持ち行かむ」は、包んで持って行こうか、の意で、字余りの句である。
結句「見ぬ人のため」は、まだ見ていない人のために、の意。倒置によって目的を示している。
つつむ:物を覆ってくるむ
- 作者
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藤原卿
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が舟の楫はな引きそ大和より 恋ひ来し心いまだ飽かなくに
- 次の歌
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海の底沖漕ぐ舟を辺に寄せむ 風も吹かぬか波立てずして