- 歌の意味
- 沖を漕いでいる舟を岸辺に寄せてくれる風でも吹かないものか。波を立てないで。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1223
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
沖を漕いでいる舟を、波を立てずに岸へ寄せてくれる風が吹いてほしいと願う一首である。沖の舟に乗る人を待つ心、あるいは自らの舟を岸に着けたいと願う心が、穏やかな風への願いとして表されている。
古集に出る歌とされる。作者は未詳である。
初句「海の底」は、海の底の深い意から、「沖」にかかる枕詞である。
二句「沖漕ぐ舟を」は、沖を漕ぐ舟を、の意である。
三句「辺に寄せむ」は、岸辺に寄せる、の意で、四句の「風」にかかる。
四句「風も吹かぬか」の「ぬか」は願望を表し、風でも吹いてくれないものか、の意。四句切れとなる。
結句「波立てずして」は、波を立てないで、の意。倒置によって条件を添えている。
わたのそこ:海の底。深いことから「沖」にかかる枕詞となる
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 玉津島見れども飽かずいかにして 包み持ち行かむ見ぬ人のため
- 次の歌
- 大葉山霞たなびきさ夜更けて 我が舟泊てむ泊り知らずも