- 歌の意味
- 大葉山に霞がたなびき、夜も更けて、私の舟を泊めるべき港もわからないことよ。
- 鑑賞
-
巻第七 雑歌 1224
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
大葉山に霞がたなびき、夜も更けてきたのに、舟を泊める港もわからないと不安を詠む一首である。霞と夜の闇の中で行き先を見失う船旅の心細さが表れている。
古集に出る歌とされる。大葉山の所在には、近江とする説、紀伊とする説などがある。作者は未詳である。
初句「大葉山」は山の名で、所在には諸説がある。
二句「霞たなびき」は、霞がたなびいて、の意である。
三句「さ夜更けて」は、夜が更けて、の意である。
四句「我が舟泊てむ」は、私の舟を泊めようとする、の意である。
結句「泊り知らずも」の「泊り」は、舟の停泊地、港をいう。港もわからないことよ、の意で、「も」は詠嘆を表す。
とまり:舟が停泊する所、港
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 海の底沖漕ぐ舟を辺に寄せむ 風も吹かぬか波立てずして
- 次の歌
- さ夜更けて夜中の方におほほしく 呼びし舟人泊てにけむかも