さ夜更けて夜中の方におほほしく
呼びし舟人泊てにけむかも
- 歌の意味
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夜が更けて夜中ごろに、ぼんやりとした声で呼んでいた舟人は、もう港に着いて泊まっただろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1225
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
夜更けに、闇の向こうからぼんやりと聞こえてきた舟人の呼び声を思い出し、あの舟人は無事に港に着いただろうかと案じる一首である。見知らぬ舟人の身を思いやる、旅人どうしの共感がこもっている。
前歌が港のわからない不安を詠んだのに続き、夜の海の舟人を案じる歌が置かれており、初句「さ夜更けて」は前歌の三句と同じである。古集に出る歌とされる。作者は未詳である。
初句「さ夜更けて」は、夜が更けて、の意で、前歌の三句と同じ句である。
二句「夜中の方に」は、夜中のころに、の意である。
三句「おほほしく」は、ぼんやりと、はっきりしない様子で、の意。闇の中でかすかに聞こえた声をいう。
四句「呼びし舟人」は、呼んでいた舟人、の意である。
結句「泊てにけむかも」は、もう港に着いただろうか、の意。「けむ」は過去推量、「かも」は疑問を表す。
ふなびと:舟に乗る人、船頭
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大葉山霞たなびきさ夜更けて 我が舟泊てむ泊り知らずも
- 次の歌
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三輪の崎荒磯も見えず波立ちぬ いづくゆ行かむ避き道はなしに