ちはやぶる鐘の岬を過ぎぬとも
我れは忘れじ志賀の皇神
- 歌の意味
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荒々しい鐘の岬を通り過ぎても、私は忘れまい。志賀の神のことを。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1230
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
航海の難所である鐘の岬を無事に過ぎた後も、海路を守ってくれる志賀の神の恩を決して忘れまいと誓う一首である。海の神への感謝と畏敬の念がこもっている。
古集に出る歌とされる。鐘の岬は筑前の鐘崎で、志賀の皇神は志賀島に祀られる海の神として航海の守護神とされた。神への手向けの歌と見られる。作者は未詳である。
初句「ちはやぶる」は、勢いの激しい意で、神や荒々しいものにかかる枕詞である。ここでは難所の鐘の岬を形容する。
二句「鐘の岬を」は、筑前の鐘崎を、の意で、航海の難所として知られた。
三句「過ぎぬとも」は、通り過ぎても、の意。「とも」は逆接の仮定である。
四句「我れは忘れじ」は、私は忘れまい、の意。「じ」は打消の意志で、四句切れとなる。
結句「志賀の皇神」は、志賀島に祀られる海の神をいい、名詞で結ぶ体言止めである。
すめかみ:その土地を支配する神
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が舟は明石の水門に漕ぎ泊てむ 沖へな離りさ夜更けにけり
- 次の歌
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天霧らひひかた吹くらし水茎の 岡の港に波立ちわたる