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大海の波は畏ししかれども
神を斎ひて舟出せばいかに

歌の意味
大海の波は恐ろしい。けれども、神を慎んで祭って舟出したならば、どうであろうか。
鑑賞
巻第七 雑歌 1232

詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
 大海の波は恐ろしいけれども、海の神を丁重に祭ってから舟出すれば大丈夫ではないかと詠む一首である。航海の危険と、神の加護に頼って旅立とうとする心とが表されている。
 前々歌が志賀の皇神への感謝を詠んだのと同じく、海の神への信仰を背景とした歌である。古集に出る歌とされる。作者は未詳である。

 初句「大海の」は、広い海の、の意である。
 二句「波は畏し」は、波は恐ろしい、の意で、二句切れとなる。
 三句「しかれども」は、そうではあるけれども、の意である。
 四句「神を斎ひて」は、身を慎んで神を祭って、の意である。
 結句「舟出せばいかに」は、舟出したならばどうか、の意で、字余りの句である。

いはふ:身を慎んで神を祭る
出典
万葉集
前の歌
天霧らひひかた吹くらし水茎の 岡の港に波立ちわたる
次の歌
娘子らが織る機の上を真櫛もち 掻上げ栲島波の間ゆ見ゆ