波高しいかに楫取り水鳥の
浮寝やすべきなほや漕ぐべき
- 歌の意味
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波が高い。どうしたものか、船頭よ。水鳥のように波の上で浮き寝をすべきか、それともなお漕ぎ続けるべきか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1235
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
波が高くなったのを見て、船頭に向かって、水鳥のように海上で夜を明かすべきか、それともなお漕ぎ続けるべきかと問いかける一首である。進退に迷う船旅の緊迫した状況が、問いかけの形で表されている。
古集に出る歌とされる。「水鳥の浮寝」は舟の上で眠ることを水鳥にたとえた表現で、本巻の第千百八十四首の「鳥じもの海に浮き居て」とも通じる。作者は未詳である。
初句「波高し」は、波が高い、と言い切る初句切れである。
二句「いかに楫取り」は、どうしたものか、船頭よ、の意。「楫取り」は舟の櫓を取る人をいう。
三句「水鳥の」は、水鳥のように、の意で、「浮寝」にかかる。
四句「浮寝やすべき」は、浮き寝をすべきか、の意。係助詞「や」を受けて連体形「べき」で結ぶ。
結句「なほや漕ぐべき」は、なお漕ぎ続けるべきか、の意。四句と対句のように並べ、進退の選択を示している。
かぢとり:舟の櫓を取って操る人、船頭
うきね:水の上に浮いたまま眠ること、舟の上で寝ること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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潮早み磯廻に居れば潜きする 海人とや見らむ旅行く我れを
- 次の歌
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夢のみに継ぎて見えつつ高島の 磯越す波のしくしく思ほゆ