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夢のみに継ぎて見えつつ高島の
磯越す波のしくしく思ほゆ

歌の意味
夢にばかり絶えず見えていて、高島の磯を越して寄せる波のように、しきりに恋しく思われる。
鑑賞
巻第七 雑歌 1236

詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
 恋しい人が夢にばかり絶えず現れ、高島の磯を越して寄せる波のように、しきりに思われてならないと詠む一首である。三四句の波の景が、絶え間なく寄せる恋しさを象徴している。
 古集に出る歌とされる。高島は近江の琵琶湖北西岸の地で、本巻の第千百七十一首、第千百七十二首にも詠まれている。作者は未詳である。

 初句「夢のみに」は、夢にばかり、の意である。
 二句「継ぎて見えつつ」は、絶えず見え続けて、の意である。
 三句「高島の」は、近江の高島の、の意で、第千百七十一首、第千百七十二首と同じ地である。
 四句「磯越す波の」は、磯を越えて寄せる波のように、の意。三句とともに「しくしく」を導く序詞となる。
 結句「しくしく思ほゆ」は、しきりに思われる、の意。「しくしく」は、重ね重ね、絶え間なく、の意である。

いめ:夢
出典
万葉集
前の歌
波高しいかに楫取り水鳥の 浮寝やすべきなほや漕ぐべき
次の歌
静けくも岸には波は寄せけるか これの屋通し聞きつつ居れば