玉櫛笥みもろと山を行きしかば
おもしろくしていにしへ思ほゆ
- 歌の意味
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みもろと山を越えて行ったところ、景色がすばらしくて、遠い昔のことが思われた。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1240
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
みもろと山を越えて行くと、景色がすばらしく、神代の昔のことが偲ばれたと詠む一首である。神の山の趣深い景に接し、悠久の歴史への思いが呼び起こされている。
古集に出る歌とされる。みもろと山は神の降臨する山、三輪山を指すとされる。本巻の第千九十三首から第千九十五首にも三輪山が詠まれている。作者は未詳である。
初句「玉櫛笥」は、美しい櫛箱の意で、箱の「身」の音から「みもろ」にかかる枕詞とされる。
二句「みもろと山を」は、神の宿る山を、の意で、三輪山を指すとされる。
三句「行きしかば」は、行ったところ、の意。已然形に「ば」を付けた確定条件である。
四句「おもしろくして」は、景色がすばらしくて、の意である。
結句「いにしへ思ほゆ」は、昔のことが自然と思われる、の意で、字余りの句である。
たまくしげ:美しい櫛箱。「み」「ふた」などにかかる枕詞となる
いにしへ:遠い昔
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大海の磯もと揺り立つ波の 寄せむと思へる浜の清けく
- 次の歌
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ぬばたまの黒髪山を朝越えて 山下露に濡れにけるかも