娘子らが放りの髪を由布の山
雲なたなびき家のあたり見む
- 歌の意味
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少女が垂らしていた髪を結い上げる、その名の由布の山に、雲よたなびかないでくれ。家のあたりを見よう。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1244
詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
上二句は、少女が垂らしていた髪を成人のしるしに結う意で「由布」を導く序詞となっている。由布の山に雲がかからないでほしい、家の方角を眺めたいから、と望郷の心を詠む一首である。
古集に出る歌とされる。由布の山は豊後の由布岳である。雲に隠れて故郷の方角が見えなくなることを嫌う発想は、本巻の第千八十五首の結句「雲なたなびき」とも通じる。作者は未詳である。
初句「娘子らが」は、少女たちが、の意である。
二句「放りの髪を」は、垂らしたままの髪を、の意。「放り」は結わずに垂らした少女の髪型で、初二句が「結ふ」を導く序詞となる。
三句「由布の山」は、豊後の由布岳をいい、「結ふ」と同音で序詞を受ける。
四句「雲なたなびき」は、雲よたなびくな、の意。第千八十五首の結句と同じ句で、四句切れとなる。
結句「家のあたり見む」は、家のあたりを見よう、の意で、「む」は意志を表す。
はなり:結わずに垂らしておく少女の髪
ゆふのやま:豊後の由布岳。「結ふ」の意を掛ける
- 出典
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万葉集
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見わたせば近き里廻をた廻り 今ぞ我が来る領巾振りし野に
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志賀の海人の釣舟の綱堪へずして 心に思ひて出でて来にけり