道の辺の草深百合の花笑みに
笑みしがからに妻と言ふべしや
- 歌の意味
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道端の草深い所に咲く百合の花のように、ちょっとほほえんだからといって、妻と言ってよいものだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1257
詞書は前の歌に続き「時に臨む」
草深い所に咲く百合の花のように、ちょっとほほえみかけただけで、もう妻だと言ってよいものかと、男の性急さをたしなめる一首である。女性の立場から、気を許したそぶりを見せただけで妻扱いされることへの反発を、軽やかに詠んでいる。
時に臨む歌の一首である。草深い道端にひっそり咲く百合を、控えめな女性の笑顔に重ねた比喩が美しい。古歌集に出る歌である。作者は未詳である。
初句「道の辺の」は、道のほとりの、の意である。
二句「草深百合の」は、草の深い所に咲く百合の、の意。初句からここまでが、三句の「花笑み」を導く序詞となっている。
三句「花笑みに」は、花が咲くようにほほえむこと、の意で、女性のほほえみを百合の花の咲くさまに重ねている。
四句「笑みしがからに」は、ほほえんだだけで、の意。「からに」は、ただそれだけのことで、という意を表す。
結句「妻と言ふべしや」は、妻と言ってよいものか、の意。「べしや」は反語で、字余りの句である。
はなゑみ:花が咲くようにほほえむこと
ゑむ:ほほえむ、にっこりする
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春霞井の上ゆ直に道はあれど 君に逢はむとた廻り来も
- 次の歌
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黙あらじと言のなぐさに言ふことを 聞き知れらくは悪しくはありけり