あしひきの山椿咲く八つ峰越え
鹿待つ君が斎ひ妻かも
- 歌の意味
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山椿の咲く幾重もの峰を越えて、鹿を待ち伏せるあなたの、身を慎んで無事を祈る妻であることよ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1262
詞書は前の歌に続き「時に臨む」
山椿の咲く峰々を越えて狩に出る夫のために、身を慎んで無事を祈る妻であることよと詠む一首である。山深く狩に向かう夫を案じる妻の姿が、春の山椿の彩りとともに描かれている。
時に臨む歌の一首である。「斎ひ妻」の解釈には諸説があるが、夫の無事を祈って身を清め慎む妻とするのが一般的である。古歌集に出る歌である。作者は未詳である。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山椿咲く」は、山椿の咲いている、の意である。
三句「八つ峰越え」は、幾重にも重なる峰を越えて、の意である。
四句「鹿待つ君が」は、鹿を待ち伏せするあなたの、の意で、狩に出る夫をいう。
結句「斎ひ妻かも」は、身を慎んで無事を祈る妻であることよ、の意。「かも」は詠嘆である。
やつを:幾重にも重なった峰
しし:鹿や猪など、肉を食用とする獣
いはひづま:身を清め慎んで夫の無事を祈る妻
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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山守の里へ通ひし山道ぞ 茂くなりける忘れけらしも
- 次の歌
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暁と夜烏鳴けどこの岡の 木末の上はいまだ静けし