- 歌の意味
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夜明けだと夜烏が鳴くけれど、この岡の梢の上は、まだ静かなままだ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1263
詞書は前の歌に続き「時に臨む」
夜烏は夜明けだと鳴くけれど、この岡の梢の上はまだ静かだと詠む一首である。共に過ごした夜の明け方、帰ろうとする相手を、まだ夜は明けていないと引き止める心を詠んだものと見られている。
時に臨む歌の一首である。別れを急かす烏の声と、まだ静かな梢とを対比して、名残を惜しむ気持ちを表している。古歌集に出る歌である。作者は未詳である。
初句「暁と」は、夜明けだと、の意である。
二句「夜烏鳴けど」は、夜烏が鳴くけれど、の意で、逆接で下に続く。
三句「この岡の」は、この岡の、の意で、目の前の岡を指している。
四句「木末の上は」は、梢の上は、の意である。
結句「いまだ静けし」は、まだ静かである、の意。二句の烏の声と対比し、まだ夜は明けていないと言い張る心を示している。
あかとき:夜明け前のまだ暗いころ
よがらす:夜明け前に鳴く烏
こぬれ:木の枝の先、梢
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あしひきの山椿咲く八つ峰越え 鹿待つ君が斎ひ妻かも
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西の市にただ独り出でて目並べず 買ひてし絹の商じこりかも