西の市にただ独り出でて目並べず
買ひてし絹の商じこりかも
- 歌の意味
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西の市にただ一人で出かけて、見比べもせずに買ってしまった絹は、買いそこないだったことよ。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1264
詞書は前の歌に続き「時に臨む」
西の市に一人で出かけ、見比べもせずに買った絹は買いそこないだったと悔やむ一首である。誰にも相談せず、よく見比べもしないで結婚相手を選んで後悔したことを、絹の買い物に譬えた歌と見られている。
時に臨む歌の一首である。西の市は平城京の西の市場と見られ、都の暮らしを背景にした珍しい素材の歌である。古歌集に出る歌である。作者は未詳である。
初句「西の市に」は、都の西の市場に、の意で、字余りの句である。
二句「ただ独り出でて」は、たった一人で出かけて、の意で、これも字余りの句である。
三句「目並べず」は、見比べもしないで、の意である。
四句「買ひてし絹の」は、買ってしまった絹は、の意である。
結句「商じこりかも」は、買いそこないであったことよ、の意。「かも」は詠嘆で、悔やむ心を表す。
いち:物を売り買いする市場
あきじこり:売り買いでのしくじり、買いそこない
- 出典
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万葉集
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暁と夜烏鳴けどこの岡の 木末の上はいまだ静けし
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今年行く新防人が麻衣 肩のまよひは誰れか取り見む