- 歌の意味
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今年出発して行く新しい防人の麻の衣の、肩のほつれは、いったい誰が手に取って繕ってくれるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1265
詞書は前の歌に続き「時に臨む」
今年新たに旅立つ防人の麻の衣の、肩のほつれを、いったい誰が繕ってくれるのだろうかと案じる一首である。遠い任地へ赴く夫の身の回りを気づかう妻の心が、衣のほつれという身近な事物を通して表されている。
時に臨む歌の一首で、防人として旅立つ夫を送る妻の立場の歌と見られる。防人は主に東国から筑紫などへ派遣された兵士である。古歌集に出る歌である。作者は未詳である。
初句「今年行く」は、今年出発して行く、の意である。
二句「新防人が」は、新しく任じられた防人の、の意である。
三句「麻衣」は、麻で織った粗末な衣をいう。
四句「肩のまよひは」は、肩の部分の織り糸が乱れてほつれたところは、の意である。
結句「誰れか取り見む」は、誰が手に取って世話をするだろうか、の意。係助詞「か」を受けて連体形「む」で結ぶ係り結びで、妻が付き添えない嘆きがこもる。
さきもり:筑紫などの辺境の守りに派遣された兵士
まよひ:織り糸が片寄ってほつれること
とりみる:手に取って世話をする
- 出典
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万葉集
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西の市にただ独り出でて目並べず 買ひてし絹の商じこりかも
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大船を荒海に漕ぎ出でや船たけ 我が見し子らがまみはしるしも