- 歌の意味
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今作っているまだら模様の衣が、面影となって私の目に浮かんでくる。まだ着てはいないけれど。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1296
詞書「衣に寄す」
今作っているまだら模様の衣が、まだ着てもいないのに面影に浮かぶと詠む一首である。まだら模様の衣に、まだ契りを結んでいない愛する女性を譬え、衣を「着る」ことに契りを結ぶことを重ねたものと見られる。まだ自分のものにならない相手を思い続ける心が表れている。
譬喩歌の部の最初の歌で、詞書「衣に寄す」のもとの一首目である。左注に「右の十五首は柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ」とあり、柿本人麻呂歌集所出の歌である。人麻呂歌集の中でも助詞などを書き表した非略体と呼ばれる書き方で記されている。「斑の衣」は本巻の第千二百五十五首、第千二百六十首にも詠まれている。
初句「今作る」は、今作っている、の意である。
二句「斑の衣」は、まだら模様の衣をいい、愛する女性を譬えている。本巻の第千二百五十五首、第千二百六十首と同じ語である。
三句「面影に」は、面影となって、の意である。
四句「我れに思ほゆ」は、私の心に浮かんでくる、の意で、四句切れとなる。
結句「いまだ着ねども」は、まだ着てはいないけれど、の意。倒置によって、まだ契りを結んでいないことを示している。
おもかげ:目の前にあるように心に浮かぶ姿
まだら:色が入りまじった模様
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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遠くありて雲居に見ゆる妹が家に 早く至らむ歩め黒駒
- 次の歌
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紅に衣染めまく欲しけども 着てにほはばか人の知るべき