海神の手に巻き持てる玉故に
磯の浦廻に潜きするかも
- 歌の意味
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海の神が手に巻いて持っている玉のために、磯の浦のあたりで潜って探していることよ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1301
詞書は前の歌に続き「玉に寄す」
海の神が手に巻いて大切に持っている玉を求めて、磯の浦で潜っていることよと詠む一首である。海神に娘の親を、玉にその娘を譬え、親が大事に守る娘を得ようとして苦労している自分の姿を詠んだものと見られる。
玉に寄せる一連の三首目で、ここから三首が海神を詠み込んでいる。次歌の第千三百二首、第千三百三首とともに、海神と玉と潜きする海人をめぐる一続きの趣向をなしている。左注により柿本人麻呂歌集所出の歌である。
初句「海神の」は、海の神の、の意。娘の親を譬えている。次歌、第千三百三首と同じ語である。
二句「手に巻き持てる」は、手に巻いて持っている、の意で、大切に守っていることをいう。
三句「玉故に」は、玉のために、の意。玉は娘を譬えている。
四句「磯の浦廻に」は、磯の入り組んだ浦のあたりで、の意である。
結句「潜きするかも」は、潜って探していることよ、の意。「かも」は詠嘆で、次歌の結句「潜きする海人」と対応する。
わたつみ:海の神
うらみ:入り組んだ浦のあたり
かづく:水に潜る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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をちこちの磯の中なる白玉を 人に知らえず見むよしもがも
- 次の歌
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海神の持てる白玉見まく欲り 千たびぞ告りし潜きする海人