潜きする海人は告れども海神の
心し得ねば見ゆといはなくに
- 歌の意味
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潜って漁をする海人は祈りの言葉を口にするけれども、海の神の心を得られないので、見えるとは言わないことだ。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1303
詞書は前の歌に続き「玉に寄す」
潜きする海人が祈りの言葉を口にしても、海神の心を得られないので、白玉が見えるとは言えないと詠む一首である。前歌に続き、海神に娘の親を、海人に求婚する男を譬え、いくら願い出ても親の許しが得られないので、娘に逢えるとは言えないという嘆きを表したものと見られる。
玉に寄せる一連の五首目で、前歌の第千三百二首と一組をなし、前歌の結句「潜きする海人」を初句、二句に受け、「告りし」を「告れども」と受けて続けている。左注により柿本人麻呂歌集所出の歌である。
初句「潜きする」は、潜って漁をする、の意で、前歌の結句を受けている。
二句「海人は告れども」は、海人は祈りの言葉を口にするけれども、の意。前歌の四句「千たびぞ告りし」と対応する。
三句「海神の」は、海の神の、の意で、前歌、第千三百一首の初句と同じ語である。
四句「心し得ねば」は、心を得られないので、の意。「し」は強意の副助詞で、親の同意が得られないことをいう。
結句「見ゆといはなくに」は、見えるとは言わないことだ、の意。「なくに」は詠嘆を含む打消しである。
のる:神に祈る言葉などを口に出して言う
わたつみ:海の神
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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海神の持てる白玉見まく欲り 千たびぞ告りし潜きする海人
- 次の歌
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天雲のたなびく山の隠りたる 我が下心木の葉知るらむ