天雲のたなびく山の隠りたる
我が下心木の葉知るらむ
- 歌の意味
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天雲のたなびく山が隠れているように、人に隠している私の心の奥の思いを、木の葉は知っているだろう。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1304
詞書「木に寄す」
雲に隠れた山のように秘めている自分の心の奥の思いを、木の葉は知っているだろうと詠む一首である。木の葉に思う相手を譬え、人には隠している恋心も、その人だけは知ってくれているだろうという思いを表したものと見られる。
詞書「木に寄す」のもとの最初の歌で、次歌の第千三百五首とともに「木の葉」を詠む二首となっている。左注により柿本人麻呂歌集所出の歌である。
初句「天雲の」は、空の雲の、の意である。
二句「たなびく山の」は、たなびく山のように、の意で、初句からここまでが三句「隠りたる」を導く序詞となっている。
三句「隠りたる」は、隠れている、の意である。
四句「我が下心」は、私の心の奥の思い、の意である。
結句「木の葉知るらむ」は、木の葉は知っているだろう、の意。「らむ」は現在推量である。次歌の三句「木の葉をし」と同じ語を詠む。
あまくも:空の雲
したごころ:心の奥に秘めた思い
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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潜きする海人は告れども海神の 心し得ねば見ゆといはなくに
- 次の歌
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見れど飽かぬ人国山の木の葉をし 我が心からなつかしみ思ふ