この山の黄葉が下の花を我れ
はつはつに見てなほ恋ひにけり
- 歌の意味
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この山の黄葉の下に咲く花を、私はほんのわずかに見ただけで、いっそう恋しくなってしまった。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1306
詞書「花に寄す」
山の黄葉の下に咲く花をほんの少し見ただけで、なおいっそう恋しくなったと詠む一首である。黄葉の陰に咲く花に人目に隠れた女性を譬え、わずかに姿を見ただけでかえって恋心がつのったことを表したものと見られる。
詞書「花に寄す」のもとの一首である。前の二首の木の葉に続いて、黄葉の下の花を詠んでいる。左注により柿本人麻呂歌集所出の歌である。
初句「この山の」は、この山の、の意である。
二句「黄葉が下の」は、色づいた木の葉の下の、の意で、前の二首の「木の葉」に続く。
三句「花を我れ」は、花を私は、の意。花は女性を譬えている。
四句「はつはつに見て」は、ほんのわずかに見て、の意である。
結句「なほ恋ひにけり」は、いっそう恋しくなってしまった、の意。「にけり」は完了に詠嘆を添える。
もみち:秋に色づいた木の葉
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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見れど飽かぬ人国山の木の葉をし 我が心からなつかしみ思ふ
- 次の歌
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この川ゆ舟は行くべくありといへど 渡り瀬ごとに守る人のありて