海の底沈く白玉風吹きて
海は荒るとも取らずはやまじ
- 歌の意味
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海の底に沈んでいる白玉を、風が吹いて海が荒れようとも、取らずにはおくまい。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1317
詞書「玉に寄す」
海の底に沈む白玉を、風が吹いて海が荒れても必ず取ろうと詠む一首である。白玉を手に入れがたい恋しい女性に、風や荒海を恋の妨げに譬え、どんな障害があっても思いを遂げようとする強い決意が表されている。
詞書「玉に寄す」のもとの最初の歌で、ここから第千三百二十七首までの十一首が玉に寄せる歌となる。人麻呂歌集の寄玉の歌群、本巻の第千二百九十九首から第千三百三首に続く、二度目の寄玉の歌群である。二句三句の「風吹きて海は荒るとも」は人麻呂歌集の寄海の歌、第千三百九首の初句二句「風吹きて海は荒るとも」と同じである。作者は未詳である。
初句「海の底」は、海の底、の意で、「わたのそこ」と読む。
二句「沈く白玉」は、沈んでいる白玉、の意。白玉は真珠で、恋しい女性を譬える。
三句「風吹きて」は、風が吹いて、の意である。
四句「海は荒るとも」は、海が荒れようとも、の意。三句と合わせ、本巻の第千三百九首と同じ表現である。
結句「取らずはやまじ」は、取らないではおくまい、の意。本巻の第千百十七首の結句「採らずはやまじ」とよく似た句である。
わた:海
しづく:水の底に沈んでいる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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河内女の手染めの糸を繰り返し 片糸にあれど絶えむと思へや
- 次の歌
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底清み沈ける玉を見まく欲り 千たびぞ告りし潜きする海人