伊勢の海の海人の島津が鰒玉
採りて後もか恋の繁けむ
- 歌の意味
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伊勢の海の海人の島津が採る鰒玉のようなあの人を、手に入れた後も、恋しさはしきりに募るのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 譬喩歌 1322
詞書は前の歌に続き「玉に寄す」
伊勢の海の海人、島津が採る鰒玉を手に入れた後でも、恋しさは募るのだろうかと詠む一首である。鰒玉を恋しい女性に譬え、手に入れる前でさえこれほど恋しいのに、自分のものとした後もなお恋しさが続くのだろうかと思いやっている。
玉に寄せる歌の六首目である。島津は海人の名と見る説が一般的である。前歌が結んだ緒の絶えることを嘆くのに対し、この歌は玉を採った後を思いやり、契りの前後という点で対応している。作者は未詳である。
初句「伊勢の海の」は、伊勢の海の、の意で、字余りの句である。
二句「海人の島津が」は、海人の島津が、の意。島津は海人の名とされる。
三句「鰒玉」は、鰒から採れる真珠で、恋しい女性を譬える。
四句「採りて後もか」は、採った後もまた、の意。係助詞「か」は結句の連体形「繁けむ」と呼応する。
結句「恋の繁けむ」は、恋しさがしきりであろうか、の意。「か〜む」の係り結びで疑問を表す。
あはびたま:鰒から採れる真珠
あま:海に潜って漁をする人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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世間は常かくのみか結びてし 白玉の緒の絶ゆらく思へば
- 次の歌
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海の底沖つ白玉よしをなみ 常かくのみや恋ひわたりなむ